タイルは目地なしで施工できるのでしょうか?結論からいうと可能ですが、目地ありの施工をおすすめしています。
まず、目地の意味について把握しておきましょう。目地は、タイルとタイルの継ぎ目を意味します。タイル施工に欠かせない存在ではありますが、目地なし施工も可能であるのか気になりますよね。
実際に目地なしで施工する場合もあり、このことを「眠り目地」または「突きつけ目地」といいます。今回は「目地の役割」「目地なしのメリット」についてお伝えしていきますね。
目地なしのタイルはどうなの?
目地なしでもタイル施工は可能ですが、通常の目地あり施工をおすすめしています。一番の理由として、目地には重要な役割があるからです。目地の役割については、のちほどお伝えします。
タイルは必ずしも均一な寸法ではありません。近年では生産技術が上がっていますが、焼き物であるタイルは、多少寸法がずれるものです。目地には、そのずれを調節する役割があります。
しかし、目地なしの施工にもメリットはあり、仕上がりが美しく高級感のある印象になるのが魅力です。
機能性か見た目のどちらに注目するか、ご自身が大切にしたい点を明確にすると良いでしょう。
目地の役割
目地には重要な役割が大きく分けて4つあります。これを知ることで、タイル施工に目地が欠かせない存在だとわかるでしょう。
タイルの寸法や施工によるずれを調節
目地には、タイルの寸法や施工によるずれを調節する役割があります。タイルは土を焼いて作っています。そのため、どうしても寸法にずれが生じてしまうのです。
タイルは焼くと小さくなります。あらかじめそれを想定してつくりますが、小さくなったときにずれてしまうことが多いです。このずれを調節してくれるのが目地です。
タイルを守る緩衝材
目地には、タイルを守る緩衝材の役割があります。目地なしで施工すると、下地の温度変化や地震による揺れに影響されやすくなる危険性があります。経年変化によってゆがむことも考えられるでしょう。
温度が変化すると、収縮と膨張を繰り返し、いずれ下地が動いてしまう可能性があります。さらに、地震による揺れでも下地が動いてしまいます。そこで怖いのが、タイルが割れたり、外れて落ちたりすることです。人に当たると非常に危険なので、可能な限り避けたいですよね。とくに外壁やエントランスのタイルは、危険性を考慮し、目地ありにしたいところです。
接着の補助
目地は、接着の補助にもなるのです。モルタルでタイルを貼る「湿式施工」によって力が発揮されます。
モルタルによる接着に加えて、目地部分に目地セメント(タイルの美しさを引き立てる化粧用目地材)をしっかり詰めることで、さらに接着力が強くなります。このように接着するという点でも、モルタルの補助的な役割を果たしており、仮に地震が起きても崩れにくくなるたのがうれしいポイントです。
埃や水の侵入を防ぐ
目地は下地とタイルの間に、埃や水が侵入しないように防いでくれます。目地ありにすることで接着力の劣化を防ぎ、同時に水が侵入したことによるカビに悩まされる心配も少なくなるでしょう。とくに、雨の当たる外壁に対していえることです。
そのため外壁やエントランスのタイルには、目地ありをおすすめします。
目地なしにするメリット
目地なし施工にすることにも、メリットはあります。実際に、目地詰め不要のタイルも販売されているくらいです。これらのタイルを使用すると、仕上がりが美しくなるうえに、高級感も引き立たせます。
高級感がある
まずは、高級感があることです。タイルとタイルの間に隙間がなく、大きな石を張ったように見えることがこのようにいわれる理由です。まるで木材でいう一枚板のように、目地なし施工では、高級感のある印象をに演出できます。
仕上がりがきれい
目地なし施工をされたタイルは、なにより仕上がりがきれいです。
目地部分が目立たないように、タイル同士を密着させて施工します。タイルで柄を繋げれば、美しい模様のように見えるため、きれいな大きな石のようなデザインができあがります。
この施工方法は、高い技術を持った職人でなければできませんが、その分きれいな仕上がりが期待できるでしょう。
目地が汚れる心配をしなくて良い
目地が汚れる心配をしなくて良いところもメリットです。そもそも、目地がないからです。
目地ありの方が機能性は高いですが、見た目に関してはデメリットがあります。白い目地の場合、汚れが目立ってしまうのです。
「汚れがどうしても気になる」「こまめな掃除が苦手」という方は、目地なし施工も視野に入れておきましょう。
目地なしにするデメリット
目地なしを検討する際には、デメリットも押さえておきましょう。この施工は見た目のメリットがありますが、通常は目地あり施工をおすすめしています。その理由をお伝えしていきますね。
機能性が低い
まずは機能性が低いことです。ここで目地の役割について振り返ってみましょう。
・タイルの寸法や施工によるずれを調節
・タイルを守る緩衝材
・接着の補助
・埃や水の侵入を防ぐ
目地なしにしてしまうと同時に、上記4つの機能がなくなってしまいます。これが機能性が低いといわれる原因です。
施工費が高い
施工費が高いこともデメリットの一つです。ずれを調節できる目地あり施工とは異なり、タイルの寸法精度の高さが求められます。技術の高い職人でないとできないほど難しい施工なのです。同時に高い精度の製品も必要になります。これらが、施工費が高くなってしまう要因です。
まとめ
今回は「目地の役割」「目地なしのメリット」についてお伝えしていきました。
目地はタイル寸法によるずれを調節したり、緩衝材の役割があったりと、大活躍してくれます。反対に目地なしは、見た目の美しさが叶えられる施工です。しかし機能性が低く、施工費も高額になってしまいます。そのため、基本的には目地あり施工がおすすめなのです。機能性と見た目のどちらを重視するか、しっかり検討したうえで決断をくだしたいですね。
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